今のF1オーバーテイクが見られなくなった一番の原因は何なんでしょうか?

今のF1オーバーテイクが見られなくなった一番の原因は何なんでしょうか?

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幾つかの理由があります。 まず、第一はエアロダイナミクスを突き詰めた結果、空力がとても繊細なマシンになってしまった事です。 90年代前半からタイムを縮めるにはエアロダイナミクスが重要だという事がF1界で常識になり始めました。 それによってウィンドトンネル、流体力学シミュレータなどが発達し、現在では空力の効率が0.0数%まで意識して設計されるようになり、他車の後ろにつくだけで空力が100%発揮できなくなりました。 前を走る車はクリーンエアで走れるので100パーセントの空力効果で走れますが、後ろの車はそれより低い空力効果でしか走れません。これでは同じ車でも前の車が速く走れるのは当たり前になります。 同じ様に排熱システムも高い空力ドラッグを生み出します。 そのため、チームは最小限のドラッグになるようにブレーキやサイドポットの空気取り入れ口を最小にします。 しかし、そうすると前に車が走っている場合は空気の取入れが足りなくなり、また前車の排熱を拾ってしまう事になるのでオーバーヒートを起こしてしまいます。 現在は高速コースで約三秒ほど後方の車にまでトゥ(スリップストリーム)が利くといわれています。 これと同じぐらい空気の流れも乱れていると思われるので、殆どのサーキットで2秒くらい後方を走っていても幾らかの空力の影響が出ていると思われます。 もう一つは高度に発達したセンサーです。 現在テストで400個、決勝レースで200個ほどのセンサーがマシンに取り付けられており、一周当たり数ギガバイトのデータを収集しています。 これによりマシンを一番詳しく分かっているのはドライバーではなくエンジニアになってしまいました。 これまでドライバーの感覚にしか頼れなかったタイヤの摩耗も、ガソリン消費による重量変化の影響もセンサーのおかげで全て詳細にエンジニアに伝わっています。 また、そのデータをスパコンにかけて処理し、高度なシミュレーションをリアルタイムに近い早さで常に行っています。 ホンダのさくらには海外でレースを行っていても常にリアルタイムでPUの情報を得ています。 こういった高度なデータ集積技術によりドライバーはマシンの能力を100パーセント近くまで引き出せるようになりました。 過去のドライバーが車やタイヤをケアしたり、コースオフをしないように細心の注意を払って走行した場合、普通のドライバーで車の性能の95%、優れたドライバーで98パーセントほどの車の能力を引き出せていたでしょうが、現在では普通のドライバーでも98パーセントほど車の性能を引き出せているでしょう。 優れたドライバーでも車の性能の99パーセントほどだと思うので、その差1パーセントほど。これでは容易にオーバーテイクすることは出来ません。 このあたりの事を実際に確認したいのなら、過去の予選のチームメイト同士のタイム差と現在の予選のチームメイト同士のタイム差を比べてみるとよく分かると思います。 現在でははるかにチームメイト同士のタイム差が接近しています。 これは現在のドライバーのほとんどが車の性能を最大限に引き出している証だと思います。 この二つがオーバーテイク減少の大きな理由だと思います。 タイヤに関しては昔ブリヂストンが摩耗が少なくグリップが殆ど落ちない完璧に近いタイヤを持ち込んだことがあります。 その結果、速い車はずっと速いままで、遅い車はずっと遅いままという事が起きてオーバーテイクは殆どありませんでした。 ドライバーによっては現在よりも更にグリップの落ちが大きいタイヤを開発してくれた方がオーバーテイクが増えるといっている人もいます。

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