マツダ・アクセラ
マツダ・アクセラ
アクセラ(AXELA)は、マツダが製造・販売していた乗用車である。
日本国外向けの車名は当初より「Mazda3」だが、2019年5月24日より日本国内で販売を開始した4代目より、日本国内でも日本国外向けとほぼ同じMAZDA3の車名を用いている。本項では、日本で「アクセラ」の車名を用いていた3代目モデルまで記述する。
長年親しまれた「ファミリア」(北米では「プロテジェ」、欧州などでは「マツダ323」)に代わる世界戦略車として、ボディサイズを拡大し、あらゆる面での実力を引き上げて開発された。ボディタイプは4ドアセダンと「スポーツ」と称する5ドアハッチバックの2種類を用意し、ファミリア同様、日米欧の3極をはじめ世界展開される、同社の中核車種である。なお、マツダにおいては小型乗用車に分類されているが、ボディサイズは他社のそれより一回り大きく、実質的にミドルセダン(1,800~2,000ccクラス)に相当する。
特に、ヨーロッパにおけるCセグメント車の市場を見据え、ボルボ・S40・V50とフォード・フォーカスとプラットフォームを共用して基本設計され、近年の大型化の流れを受けて全幅は1,745 - 1,770mmあり、エンジンの排気量にかかわらず全車3ナンバーとなる。ただし、ドアミラーを含めた車幅は日本の道路事情を考慮して5ナンバー車と同等の数値に抑えている。「スポーツ」の全長は3代目ランチア・デルタを除けば、同クラスハッチバック車としては最長である。
マツダスピードアクセラは2006年に追加されたいわゆるホットハッチの1種で、L3-VDT型2.3L直噴ガソリンターボエンジン「MZR 2.3 DISI(ディジー) TURBO」が搭載され、6速MTとLSDが組み合わせられる。補強された5ドアハッチバックボディが採用され、ホイールには18インチアルミホイール、ブレーキは前輪・12.6インチ(320mm)、後輪・11インチ(280mm)という大きいサイズのものが採用された。スペックは264 PS/38.8 kgf·mと、当時の前輪駆動車としては異例の高い数値を叩き出しており、0-100 km/h加速ではホンダ・インテグラタイプRや同シビックタイプRをも凌ぐタイムを叩き出した。一方でシャシに対してエンジン出力が過大であったために、“じゃじゃ馬”と評される事もしばしばあった。
欧州でのCセグメントというフォルクスワーゲン・ゴルフVやプジョー・307、オペル・アストラ等の超激戦区に本格投入された日本車の代表格。走りにこだわる欧州のユーザーに高い評価を得ており、2004年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーにてゴルフと並ぶ同率2位(日本車中1位。総合1位はフィアット・ニューパンダ)を獲得。アテンザに並ぶ新生「マツダ」の代表格となっている。2005年度にマツダはさらなる増産を決定。2006年8月末時点で国内生産累計台数は100万台を突破した。生産開始から3年2か月での達成は、マツダ車として過去最短記録である。その後、2008年10月末時点で世界累計生産200万台を、2011年4月26日時点で世界累計生産300万台を達成した。
2008年のロサンゼルス・モーターショーでセダンが、ボローニャモーターショーで5ドアハッチバック(スポーツ)がそれぞれ発表された。開発コンセプトは「再びカスタマーの期待を超える」。日本国内での月間販売目標は「アクセラセダン」と「アクセラスポーツ」、ホットハッチの「マツダスピードアクセラ」の3モデル合わせて2000台と発表された。
オーストラリア市場では2011年から2年連続で販売台数第1位を記録した車種であった。
2013年6月27日、ニューヨーク、ロンドン、メルボルン、サンクトペテルブルク、イスタンブールの世界5都市で発表された。日本では2013年11月21日に発売された。生産は防府工場の他、メキシコ、タイ、中国で行われ、年間販売台数は世界50万台を目標としている。
なお、ガソリン車は従来からの2.0L車に加え、1.5L車も「平成27年度燃費基準+10%」を達成し、ハイブリッド車は「平成27年度燃費基準+20%」を達成している。
2004年に製造開始した教習車仕様(マツダE&Tが手掛ける)はこのクラスで稀少なマニュアル車が設定されていることから、2014年に累計生産台数1万台を達成。近年(2014年時点)で日本国内の教習車市場で3分の1のトップシェアを確保している。
なお、3代目(BM系)の教習車仕様のCBA-BM6FJ型(および教習車・法人向けのLPG仕様のCBA-BM6FJ改)においてエンジンおよびトランスミッションはSKYACTIV TECHNOLOGYを採用せず従前のものを採用している。
先述の通り2019年4月26日を以って受注終了となり、現在タイで生産される日本国内未投入(未発売)の2代目Mazda2 Sedanの右ハンドル車の同型車種のマツダ教習車に移行。
「Accelerate(加速する)」+「Accelerator(アクセル)」+「Excellent(卓越した)」を語源とした造語。日本国外仕様である「Mazda 3」の3は車格を表している。
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