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トミカ
トミカ(Tomica)は1970年(昭和45年)からタカラトミー(旧・トミー)のTOMYブランドより販売されている、自動車玩具である。2020年には誕生50周年を迎えた。
トミー時代からの主力商品であり、発売から長年愛されるロングセラー商品である。同社の鉄道玩具であるプラレールと組み合わせて遊べるように設計されており、プラレールと互換性を持たせた商品も発売されている。年に一度、主要都市等で開催されるイベント「トミカ博」は、「プラレール博」と共にトミー(現・タカラトミー)の重要なイベントのひとつであり、多くの来場者を集めている。
トミカが発売された1970年当時、国産車のミニカーといえばダイアペット(米沢玩具→セガトイズ→現・アガツマ)やモデルペット(アサヒ玩具)に代表される標準スケールが中心であり、小スケールミニカーは細々と輸入される海外ブランドしか存在しなかった。この状況に目をつけ、国産車の本格的小スケールミニカーとして発売されたのがトミカである。
トミカは当時小スケールミニカーの第一人者であった「マッチボックス」を参考としており、縮尺はまちまちで箱の大きさを統一、番号による入換制、アルミ箔を押し付けるホットスタンプと呼ばれる技法を用いたクロムメッキ風のホイール(あるいはホイールキャップ)の表現と細いタイヤ、板ばねによるサスペンション機能、そしてドアやボンネット、トランクなどの開閉アクション、これらは全て当時のマッチボックスに範を取ったものである。
トミカは発売後大成功を収め、前述のダイヤペットからも小スケールで「チェリカ」というライバル製品も発売されるほど多大な影響を与えた。手ごろな価格と実車に忠実な造形からコレクションの対象にもされており、現在では世界中にコレクターが存在し、絶版トミカを扱う専門ショップも全国に点在している。
トミカの名称は「トミーのミニカー」の略では無く、富山幹太郎の富が由来となっている。但し、会社名のトミーも富山姓から来ているため、「トミーのミニカー」という由来も間違いではない。また、「トミーが作る車だから『トミーカー』を呼びやすく『トミカ』と名づけた」とする資料もある。
箱のイメージは発売から一貫してボックスアート風イラストが使用されているが、一部の製品では製品写真や実車の画像が使われたこともある。
1970年から発売されている通常シリーズ。殆どの車種に可動アクションと、車軸のピアノ線を用いた擬似的なサスペンションが設けられていることが大きな特徴。乗用車では側面ドアやテールゲート、働く車では車種に応じた可動機構がつく。
実車の大きさを問わず、統一サイズのパッケージを基準に取材・設計され、完成まで約9ヶ月以上かかるが、一部の車種は実車の販促活動の一環として、実車の登場と同時に発売されるものもある。縮尺は各車種で異なり、乗用車は大体1/60スケール前後、それ以外は車種によって縮尺が変わり、縮尺表記が無いものもある。
当初は国産車のみだったが1976年に外国車シリーズが追加。一時期は国産車110台・外国車70台で両者合わせて180台のラインナップだったが、1980年に国産車80台・外国車40台の120台体制に縮小。1988年に外国車シリーズが国産車に統合される形で廃止となり120番体制となった。2009年1月からはトレーラーや大型建機、鉄道車両などを製品化したロングタイプトミカシリーズが通常品の続番で登場し、その後2012年12月よりキャラクター・映像作品とコラボレーションしたドリームトミカが加わった。2013年10月現在はレギュラー+ロングタイプトミカで140番体制となっている。
同種の他社ミニカーとの違いとして、乗用車以外のラインナップが充実している点が挙げられる。消防車やショベルカー、ごみ収集車といった働く車の定番から変わったところでは船舶、ヘリコプター、農機などといった乗り物までラインナップされている。また安全面の観点から実車を再現しながら造形は丸みを帯びさせるようにしており、乗用車では一部の車種を除きドアミラーを装備していないのも特徴である。
レーシングカーに関しては長年、長谷見昌弘のスポンサーをつとめていた関係から、彼が乗ったマシンやハセミモータースポーツのマシンを中心に製品化されていた(詳細は長谷見昌弘#トミカの項を参照)。2016年から新たにネッツトヨタ兵庫レーシングチームのスポンサーに就いており、86/BRZレースに出場するトヨタ・86を製品化している。
現在までに約1000車種が製造・販売されており、メーカーによるギフトセットやアソート品、企業や団体・小売店の特注品など、数多くのバリエーションが存在している。30以上の国と地域で販売されており、累計販売個数は6億4000台を超える。
年間で発売される車種は、現在では24台前後である。発売当初から1999年までは発売日が特に定められておらず、新車情報は毎年刊行されるカタログなどで告知されるのみだったが、2000年以降は毎月第3土曜日を「トミカの日」と制定して、通常2種の新車が必ず発売されることとなった。2003年6月から2006年3月まで、および2011年7月以降の新車の1台は、『初回特別仕様』と称する仕様(ボディカラーや車体形状など)違いの製品が用意されている。
当初は日本国内のみの発売だったが、。。。
2001年4月から2013年6月まで発売されたシリーズで、レギュラートミカの塗装、パーツ、タイヤ、ホイールなどをよりリアルに仕上げたもの。このため対象年齢は14歳以上となり、ディスプレイ専用モデルとなった。通常品の改装品がほとんどだが、中にはこのシリーズ向けに金型を新造したものもある。当初は国産の旧型車種だけだったが、次第に現行車や外国車、商用車などがモデル化されるようになった。2005年4月 - 2006年6月の間はSUPER GTで活躍する車種が専門的にモデル化されていた。
トミカと同様新車発売日が制定されており、発売は通常品より1週遅れの毎月第4土曜日であった。なお、2002年には後述するトミカダンディの金型を流用し、塗装やパーツなどをリアルに仕上げた「トミカリミテッドSシリーズ」が発売された。
トミカリミテッドの発売以降、それまで玩具扱いされていた小スケールミニカーも観賞用モデルが登場するようになり、その後各社から同様のミニカーが発売されるようになった。
2004年から開始された、開閉アクションのないディスプレイ専門モデルの新シリーズ。「もしもトミカが昭和30年代に誕生していたら」というコンセプトにより昭和30 - 40年代の旧車、そして1980年代のネオヒストリックを中心とする「リミテッドヴィンテージNEO」というシリーズが展開されている。なお、このシリーズはタカラトミーではなく、トミーテックが生産・販売を担当している。
2015年4月から発売開始された新シリーズで、概ね三カ月おきに新製品が発売される。トミカリミテッドの実質後継に当たるシリーズだが、金型は専用に新規製作されたものを使用しており、レギュラートミカと同様に番号による入れ替えも行われる。タイヤはトミカリミテッドと異なり、レギュラートミカと同様のABS樹脂を使用している。また、レギュラートミカと異なり小型パーツを取り付けて完成させる車種もある。対象年齢は14歳以上から6歳以上に引き下げられた。また、過去にレギュラートミカで製品化された車種も本シリーズで登場することもある。不定期にタカラトミーモール限定品として、バリエーションが登場するほか、2018年8月からは、一部車種でカラーバリエーションの「発売記念仕様」が用意されており、パッケージデザインは通常品の黒から赤に変更されている。
2018年11月からは標準スケールの「トミカプレミアムRS」もラインナップに加わった。
1976年に誕生した独立品番のシリーズで、トレーラートラックやタンクローリー、バスといった長尺の車種がメインに製品化された。1994年に生産中止となったが2009年に復活した。
1972年から発売された標準スケールのミニカーシリーズ。トラック、バス等も存在し当初はスケールがまちまちだったが、1977年以降1/43スケールに統一された。トミカと同様さまざまな車種がラインナップされ、スケールが拡大された分ディテールやギミックも充実していたが、1994年に生産中止となった。なお同ブランドは2001年にトミカ30周年を記念して復刻、その前後にも何度か復刻生産をしている。
戦闘機をモデル化したもの。ロッキードF104、ダグラスDB-7ハボック、P-47Dサンダーボルト、P-51ムスタング、ボーイング707、ミグ21、ゼロ戦等がモデル化されていた。
1973年から登場したシリーズ。名称通り戦車を製品化したもので、全ての車種がHOスケール(1/87)で統一されている。しかし単価が高いこともあり、わずか2年ほどで生産中止となった。
手動で走らせる通常のトミカとは異なる、電池やゼンマイなどを使用し自走する商品も存在している。いずれのブランドも動力を搭載する関係からか、通常のトミカよりも一回り大きくなっている。
2010年にトミカ40周年を記念して発売されたシリーズで、商品名は「手ころがし」+「エコロジー」の造語。内蔵の超小型発電ユニットにより、手で転がすとライトが点滅する仕組みとなっている。通常のトミカと同じサイズで、車種は商品の性質上緊急車両が多い。このシリーズは製造をタイで行っていた。
トミカには自ら音声を発するシリーズも存在している。いずれも通常品の流用で、以下の4シリーズと、トミカではなく基地や駅が音声を発する「αトミカ」シリーズが過去に発売されている。
トミカには情景部品のひとつとして駐車場や高速道路、フェリーといったトミカワールドシリーズが発売されている。主なシリーズ展開としては建設・警察関係があり、2009年現在はトミカハイパーシリーズを中心に商品展開されている。一方、街の身近な建築物を模した「トミカタウン」シリーズもあり、交番や消防署をはじめ、ENEOS、セブン-イレブン、ミスタードーナツなど実在する企業の建物も製品化されている。
トミカヒーローシリーズは、特撮ヒーローが登場し、ヒーローたちが乗り込む車両をトミカ化するシリーズ。「世界各地で発生する災害にヒーローたちが立ち向かい、人々を救出する」というコンセプトで、作品に登場する車両が製品化されている。車種は通常品の流用が大半を占めるが、一部新規金型で製作される車種もある。
2008年4月から2010年3月まで特撮ドラマが2作品制作され、テレビ放送された。
トミカと連動する大型ビークルとプラキッズを絡めたシリーズ。主にハイパーレスキュー、ハイパーブルーポリスの2種類を中心に商品展開が行われる。2017年4月15日から、このシリーズをベースとしたテレビアニメ『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察』がTBS系で放送された。2018年からは『ドライブヘッド』シリーズ第2期として、月1回のインターネット配信が開始された。同年8月24日には劇場映画も公開された。
トミカ誕生50周年を記念したアニメシリーズ。2020年4月5日からテレビ大阪・テレビ東京系6局ネットにて放送開始。
2005年8月に東京駅一番街にオープンしたトミカの直営店。トミカ博イベントモデルやタカラトミーモール限定品など、通常ルートでは手に入らない製品が置かれているのが特徴。トミカの他にはアパレル商品等の関連グッズやゲームコーナー、トミカ組立工場も常時設置されている。姉妹製品であるプラレールショップも併設された店もあり、2018年現在の営業店舗は全てプラレールショップが併設されている。
東京店は2007年12月から改装工事に伴い一時休業し、2008年3月に東京キャラクターストリート内に再度オープンした(この間は『東京ドームシティ』で暫定営業していた)。2006年10月には栄のオアシス21に名古屋店が、2007年7月にはなんばウォークに大阪店がオープン、2010年3月には福岡パルコに福岡店がオープンした。2010年11月にコピス吉祥寺内に吉祥寺店がオープン、大阪店が大丸梅田店に移転開業した。2012年5月には東京スカイツリーに開業と同時に東京スカイツリータウン・ソラマチ店が、2015年8月にはランドマークプラザに横浜店が開業した。日本国外では2010年9月に台湾の新光三越台北店に出店している。
また、トミカショップの名を冠さない店舗もあり、2017年10月には羽田エアポート店、2019年8月にはエミオ池袋店(西武池袋駅駅ナカ施設)が開業している。
1970年代後半から1980年代後半にかけてトミカフェアが実施されていた。通常品の各種バリエーションを一挙に発売して販売促進を狙ったもので、購入者には販促グッズが配布されていた。対象車種はミニクーパーやスバル360などカラーバリエーションの多い乗用車やグループA、トラック、バスなど多岐に渡った。
2000年以降全国で開催されている博覧会。
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