ドンカーブート
ドンカーブート
ドンカーブート・アウトモビーレンB.V. (Donkervoort Automobielen B.V.)、通称ドンカーブートは、手作業によるスポーツカーの生産を行なうオランダの自動車メーカー。オランダ語では「ドンケルフォールト」に近い発音になる。
創業者のヨープ・ドンケルフォールト (Joop Donkervoort) は、自動車専門学校を卒業後、エンジニアとしてDAF・ルノーなどで働いていた。一方、趣味で自らチューンした車でサンデーレースに参加し、好成績を挙げるようになり、やがて自ら自動車会社を興すことを決意するに至った。
当初はケーターハム製のロータス・セブンをキットカーとしてオランダに輸入していたが、その後オランダ国内の自動車安全基準が強化されたために中止せざるを得なくなった。そこでドンケルフォールトは安全基準を満たすロータス・セブンのコピーを新たに開発することにした。こうして、1978年に最初のモデルS7(スーパーセブン)が登場した。
設立当時は (Tienhoven) のドンケルフォールト自宅ガレージを拠点としていたが、数年後に (Loosdrecht) に移転。2000年にはアムステルダムから40 kmの地にあるレリスタットに新しく工場を構えた。以来、ここでは累計1,000台以上の車両が生産されている。
Sシリーズではフォード製のエンジンを積んでいたが、1998年から生産が始まったDシリーズからはアウディと契約を結び、同社製のエンジンを搭載するようになっている。
2014年、レリスタットに次ぐ第二の拠点としてドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州バート・ドリーブルクのに100%子会社のドンカーブート・アウトモビーレンGmbH (Donkervoort Automobielen GmbH) を設立した。
ドンカーブートの掲げるポリシーは「No compromise」(妥協なし)というシンプルなものである。これはスポーツカーや趣味の車は妥協することなしに極限を追求すべきであるということで、ドンカーブートのモデルもこれに従い、武骨かつきわめて無駄を削ぎ落とした外見となっている。ゆえに、ドンカーブート車は現代の一般的な自動車が目指す(運転する楽しさを犠牲にした)「快適性」「洗練さ」といった方向とはまったく逆を指向しているということになる。
ドンカーブート車の主な特徴として以下のような点が挙げられる。
他のメーカーの車両には見られないこのような特徴から、ドンカーブート車は愛好者から「ドンキー」(Donky) と呼ばれて親しまれている。
2014年現在における最新のモデルはD8で、通常のD8 (150-270 PS)、D8 270とD8 GT (180-270 PS)、D8 GTO (340-380 PS) の4タイプがある。それぞれターボのチューンに違いがあり、インタークーラー付きで0.95 - 1.2バールの過給圧となっている。
エンジンはアウディ製の直列4気筒20バルブ1.8リッターターボで、フォード製Type 9またはボルグワーナー製トランスミッションと組み合わされる。
スチール製のチューブラーフレームにアルミニウムパネルを組み合わせたボディという構造のため、車重(乾燥重量)は630 kgに満たない。これは走行性能の大きな向上に一役買っている。
D8 210の加速性能は以下の通り。
2004年にニュルブルクリンクにおいて、公道走行可能な自動車としてのコースレコードとなる7分18秒01を記録したことを記念し、翌2005年に25台限定のバージョンであるD8 270 RSが発売された。
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