オペル・オメガ
オペル・オメガ
オメガ(Omega )は、オペルが製造・販売していたEセグメントの乗用車である。セダンとステーションワゴンを用意し、後輪駆動を採用していた。前身はレコルトである。
当時のオペルのフラグシップであったセネターの次に位置づけられていた。BMW・5シリーズ、メルセデス・ベンツ・ミディアムクラス、アウディ・100などと競合していたものの、オペルは2002年にオメガの生産を中止し、以来Eセグメントから撤退している。
イギリスではボクスホールブランドで、ブラジルではシボレーブランドで販売されていた。また、オーストラリアのホールデン・コモドアは、オメガのプラットフォームを使用した兄弟車である。
初代モデルであるオメガAは、1987年に登場した。前年にデビューした2世代目のセネターをベースとしていた。空力特性に優れており、標準モデルでは空気抵抗係数(Cd値)0.28を達成。1987年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。
イギリスではとして販売された。また、1992年からはブラジルでシボレー・オメガとして生産・販売が開始された。
日本では1988年にオペルの総代理店であった東邦モーターズが輸入を開始したが、翌1989年からはいすゞ自動車も独自に販売を始め、1993年よりヤナセネットワークへ移行した。日本仕様としては、カーエアコンの能力不足や格納しないドアミラー、またエアロボディ故にエンジン熱がこもりやすく、特に日本の夏においてはオーバーヒート傾向にあったことが欠点とされた。
全長4,690mm、全幅1,770mm、全高1,450mm。
日本に正規輸入されたモデルは以下の通りである。
イルムシャーバージョンやロータス・オメガなどのスペシャルモデルも存在する。
イルムシャーバージョンはいすゞディーラーでも販売されていた。ロータス・オメガはロータスが開発した3.6Lの直列6気筒DOHCツインターボエンジン(377馬力)をオメガ3000のボディに積み込み、アルピナ・B10ビターボやAMG メルセデス・300E 6.0 ハマーヴァージョンなどと並び1990年代を代表するスーパースポーツセダンの1台として名高い。なお、イギリス仕様のロータス・カールトンが「グランツーリスモ4」に収録されている。
2代目モデルであるオメガBは1993年(日本での販売は1994年)に登場。より大胆なエアロルックを採用した。セネターとの統合を兼ねてボディは大型化し、ボディ形状はセダン及びステーションワゴンがラインナップされた。また、長らく続いた直列6気筒エンジンは新開発のV型6気筒エンジンに置き換えられた。
イギリスではカールトンの名称が廃止され、オペル同様の「ボクスホール・オメガ」となった。
1996年、1997年、1998年と年ごとに改良され、1999年(日本仕様は2000年から)マイナーチェンジを決行。各部の意匠変更を行いオペルのフラッグシップとして相応しい貫禄を見せ、少々アグレッシブすぎたデザインは、保守層にも受け入れやすい物へ変わった。内装も曲線を多用したインストゥルメントパネルから直線基調のデザインのものに改められた。日本においてマイナーチェンジ後は俗に2000Bと称される。本国ではBMW製6気筒ディーゼルエンジンも設定されていた。また、シボレー・コルベットと同じV型8気筒5.7リッターエンジン搭載モデルも限定で発売されたこともあった。
アメリカでは当時、GMのキャデラック部門がBMWやメルセデス、それに新規参入したレクサスに対抗するためカテラという名称でセダンを販売したが、売れ行きは芳しくなかった。カテラは2001年モデルで販売を中止し、翌年には同じ後輪駆動車ではあるが、シグマ・アーキテクチャと呼ばれる新設計のプラットフォームを採用したキャデラック・CTSとなった。なおCTSとは「カテラ・ツーリング・セダン」の略である。
日本に正規輸入されたモデルは以下の通りである。なお、全てのグレードでセダン・ワゴンのボディ形状が選択できた。
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