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ランボルギーニ・アヴェンタドール
アヴェンタドール("Aventador" )は、イタリアの自動車メーカー、ランボルギーニが2011年から2018年まで製造していたスーパーカーである。
2010年をもって生産が終了したムルシエラゴの後継車種として、2011年3月1日より開催されたジュネーヴショー2011にて正式に発表された。会場で披露されたのはオレンジ、ライトグレー、マットホワイトの3色。デザイナーは、フィリッポ・ペリーニ。エンジンフードカバーのデザインは、カメムシの外観から発想を得たもの。フロントやリア周りの意匠は、2007年に公開されたムルシエラゴ・ベースの限定車レヴェントンと、2008年に公開されたコンセプトカー・エストーケと共通性を感じさせるものとなっている。
カーボンファイバーモノコックを採用し、サスペンションはプッシュロッド式、エンジンは新設計のV12となっている。トランスミッションはマニュアルを廃止しセミオートのみとなった(メーカーとしても性能向上のためこの車種以降マニュアルは搭載しない考えである)が、パワートレインの配置のみカウンタックから連綿と受け継いで来た、運転席と助手席の後ろに置かれたエンジンの出力を、運転席と助手席の間のセンタートンネルに置かれたトランスミッションを経由した上で後輪に伝えている。
0-100km/h加速は2.9秒以下、最高速度は350km/h以上(公称値。)に達する。ハンドリングの向上に注力した設計になっている。
4WDだが、前後の駆動力配分は、0:100から40:60まで変化する。センターコンソールにパフォーマンスセレクターがあり、一般公道での走行に適した弱アンダーの「ストラーダ」モード、シフトフィールが鋭くなる「スポーツ」モード、サーキットでの走行に適し、凶暴な加速が体感できる「コルサ」モードの3種類から走りの特性を選択できる。
2012年、ジュネーヴショーにおいてオープントップのワンオフモデル「アヴェンタドールJ(イオタ)」が発表された。ショー終了後に「幸運なオーナー」の許へ届けられる。『J』はたった1台のみ製作され、後に事故で喪失したランボルギーニ・イオタに由来する。2012年11月12日(現地時間)、先代のムルシエラゴに続きロードスターモデルとして「アヴェンタドールLP 700-4 ロードスター」が発表された(日本国内価格4,660万3,200円)。
2013年、ドバイでパトカーに採用された。
2016年、ジュネーヴショーで同車をベースとしたワンオフモデル「チェンテナリオ」が発表された。
2018年、アヴェンタドールSVJをベースにランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラ・コルセ」が手掛けたトラック向けのワンオフモデル「SC18アルストン」が発表された。
日本国内では2011年9月から販売された。
2011年11月29日、ランボルギーニ ジャパンは東京都の国立競技場で記者発表会を開催した。研究開発担当ディレクターであるマウリツィオ・レジャーニは「アヴェンタドールは競合他社の2世代先を行くもの。すべての内容を再定義した。過去からのものをすべて否定し、ゼロベースで作った」と、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ボディーのすべてが新開発であることをアピールした。
日本での価格は、当初4,100万2,500円だったが2012年8月1日に4,197万3,750円と改定された。
2013年の上海モーターショーにて発表された。これは、ランボルギーニの創業50周年を記念するモデルであり、世界限定200台の生産となる。モデル名の「720」が示す通り、ベースグレードのエンジンはチューンアップされて720PSを発生し、0 - 100km/h加速は2.9秒・最高速度は350km/hを誇る。
ランボルギーニとイタリアのタイヤメーカーであるピレリは、ランボルギーニ初のプロトタイプ「350GTV」にピレリがタイヤを供給した1963年以来、パートナーシップを結んでいる。この長年の関係を祝して製作された特別モデルである。ルーフ、エンジンカバー、ミラー、エアインテークに赤の細いラインが施されている。
2015年のジュネーヴ・モーターショーにて発表された、ランボルギーニの上位モデルに伝統的に冠される「SV」を戴いたモデルであり、世界限定600台の生産となる。引き続き採用されるV12エンジンは、更なるパワーアップが図られており、車名が表す通りに750PSを発生させる。0 - 100km/h加速が2.8秒・最高速度が350km/h超のパフォーマンスを誇る。。
同年8月、SVを車名に持つモデルとしては初のオープンモデルとなる「ロードスター」が発表された。世界限定500台の生産となり、クーペより生産数が100台少ないモデルである。
2016年6月にイギリスで行なわれた「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において公開された。2016年で50周年を迎える名車「ミウラ」へのオマージュとして、アヴェンタドールLP700-4をベースにランボルギーニの「Ad Personam」プログラムによるカスタマイズを施した限定50台である。2トーンカラーが特徴的なエクステリアでは、マットシルバーまたはゴールドの20/21インチホイール、サイド部にメタリック仕様のミウラ・バッヂ、リアまわりにブラックのランボルギーニ・ロゴが与えられている。
2016年に発表されたアヴェンタドールの新世代モデル。新しい技術が多く採用されていて、エクステリアは大幅な改良がくわえられ、フロントのダウンフォースは130%も増加したという。ランボルギーニのシリーズ・モデルとして初めて4輪操舵システムを採用。サスペンションには、磁性流体ダンパーを使った「磁気レオロジー・サスペンション」が採用された。さらに、前後輪に駆動力を配分する4輪駆動システムや、粘性の検知度が高まったというESC、3段階に可変するリア・ウイングを備えたアクティブ・エアロダイナミクスなども含め、上記の電子制御システムが全て、新たに採用された「ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・アッティーヴァ」と呼ばれる制御ユニットで統合管理される。
ドライビング・モードには新たにドライバーの好みに応じてこれらの組み合わせをカスタマイズできる「EGO」モードが追加された。
エンジンは、アヴェンタドールと比べると最高出力が700PS/8,250rpmから740PS/8,400rpmに引き上げられた。最大トルク70.3kgm/5,500rpmは変わらず。トランスミッションもこれまで通り、「インディペンデント・シフティング・ロッド」と呼ばれる7速シングルクラッチのロボット式変速ユニットが組み合わされる。テールパイプが3本になったエキゾーストは従来より20%ほど軽量化されている。
2018年8月に発表された高性能モデル。SV(スーパーヴェローチェ)とJ(イオタ)を併せ持った名称。世界限定900台の生産となる。
6.5リッター自然吸気V12エンジンを搭載し、最高出力566 kW(770 CV)/8,500 rpm、最大トルク720 Nm / 6,750 rpm。0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は350km/h。乾燥重量は1525kg。
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